似合わない服はコーディネートをむずかしくする

 
服がたくさんあるのにコーディネートがうまくいかない

服をいくら買っても、似合う服がわからない。
クローゼットには服がパンパンなのに着る服がない。
こういったご相談をよく受けます。

そんな方はファッションを楽しみたいのに、自分に似合わないトレンドを取り入れすぎたり、いろんなテイストの服を着こなそうとしてファッションを難しくしてしまっている場合がほとんどです。

 

なぜ、服がたくさんあるのにコーディネートがうまくいかないのか?

それは似合う服を1着持っていても、似合わない服と合わせることで似合わない部分をリカバリー(調整)するのにとても苦労するからです。それほど似合わない服の破壊力は強いということです。
だから、似合わない服を徹底的に持たないことは似合う服を着る最短ルートになります。

 

ファッションでスタイルのある人、センスのいい人と言われる方々は、似合わない服を着ないことを徹底している人ばかりです。

例えばファッション界で有名な『プラダを着た悪魔』のモデルとなったと言われている、アメリカ版ヴォーグの元編集長アナ・ウィンターを見ればわかると思います。
彼女のファッションは常に彼女のスタイルが決まっています。
制服のように似合うモノを絶えず選び続けることがその人のスタイル、その人らしさ(個性)となるのです。

  • ヘアスタイルは前髪のあるボブ(巻いたり、アップにしたりアレンジはしない)
  • 大きめのサングラス(はずしていることもある)
  • 体に程よくフィットした服(詳細に書くと肩はセットイン、オーバーサイズは着ない)
  • シルエットはウエストのくびれがわかる女性らしい砂時計型
  • ゴージャスなネックレス
  • スカートスタイル(パンツは着ない)
  • 靴はヒール(フラットシューズ、高すぎるヒールは履かない)
  • 柄の服

『Precious1月号』小学館、2020年より

いろんな服が着こなせるからおしゃれというわけではなく、ファッション業界の人でも、そうでなくてもおしゃれなだなと思う人の共通点は何かと聞かれると私は似合う服を選べる人だと思います。

それが自分を知っているということであり、自分を服というアイテムで表現できていると思うからです。
服を買うときは、流行っているから買う。ただ好きだから買う。ではなく、似合っているから買うという選択をすると失敗しなくなります。

 

苦手なものは続かない

ファッションを楽しめなくなる理由は、似合わないモノをがんばって取り入れようとするからです。

人は自分で選んだものに執着する性質があります。
自分で選んで買ったものを売る時は、思い入れがあるため相場よりも高値をつけてしまう傾向があるという研究結果も出ています。だから、似合ってなかったとしても買った服はがんばって着ようとします。
私は失敗してない、だってかわいいもん。素敵だから買ったんだし。と自分が間違っていなかったことを証明したくなります。

けれど本当に似合っていれば、がんばらなくてもすんなり着れるはずなんです。
がんばらないと着れない服って本当は似合ってない服だったりすることが多いんです。

 

トレンドもシーズンによって好きなトレンドもあれば、苦手なトレンドもあります。
シルエットも流行りによって好き、嫌い、似合う、似合わないが出てきます。
苦手なトレンドのシーズンは色だけとか、ディールだけ、小物だけだけ取り入れよう!とか。
好きなトレンドなら、どっぷりとトレンドを楽しめばいいと思います。

私の場合であれば、カラフルな色が好きなので2022年の春夏はとっても楽しみなシーズンです。
色、柄のパンツやジャケットをたくさん購入できそうで今からとてもワクワクします。

その反面、スティーブ・ジョブズの影響で流行したノームコアなどシンプルなトレンドが続いたあたりはモノトーンや落ち着いた色も多く、色柄ものを探すのが大変でした。

 

似合う服を選び続けるために、自分の個性、体型に合った方向性のものを選ぶと、すんなりとオシャレが楽しめます。
逆に自分の個性、体型を無視して頑張ろうとすると、とても難しくなってしまうのです。

 

多くの人が服を選ぶ時の目的は自分を素敵に見せたいということだと思います。
なので、トレンドを着なくてはオシャレではない。とか、この色はオシャレではないとかはないんです。
自分の体型や個性に合うものを着こなすことがオシャレだということを忘れないでほしいんです。

自分らしくオシャレができていれば、流行りにとらわれなくていいと思います。
私みたいにトレンドのファッションを見るもの着るのも好きならいいと思います。
でも、そんなファッション好きの私でさえトレンドの好き嫌い、似合う似合わないで買うシーズンと買わないシーズンがあるぐらいですから、やっぱりしっかりと自分を知るということが大切なんです。

・自分はどういう個性をもっているのか?
・体型はどうなのか?
・どんなイメージになりたいのか?

このような自分のイメージの軸をしっかりと自分で認識すると、オシャレがとってもラクに楽しくなります。
さらにあなたらしい個性がどんどん光り始めますよ。